「事業譲渡とは会社の一部を売買するもの」「株式譲渡とは株式を通じて会社の経営権を
売買する」もの事業譲渡は売買であるため消費税や法人税が発生しますが、株式譲渡は
経営者という株主が株式を売却し、譲渡益を手にすることになるため、その株主に所得税が
発生する形になります。 |
メリット | デメリット | |
事業譲渡 |
引き継ぐものを選べる 買い手側は引き継ぎたくない資産、契約をあらかじめ取り除いたうえで事業を譲受することができ、 売り手側は自社に残しておきたい従業員、契約を残しておいたまま事業を譲渡することができます |
手続きがかなり面倒 事業主体が切り替わるため、その事業に関する契約や許認可が全て白紙に戻ってしまい、従業員の 雇用契約、取引先との契約、事業内容によっては許認可を改めて取り直す必要があります |
株式譲渡 |
手続きが楽 契約関係や許認可などといった手続きを改めてやる必要がない。事実上、法律や行政の制約も受けない ため、事業譲渡より制限や面倒がなく、加えて発生する税金も事業譲渡などに比べて少なくすむことが多い |
買収対象が選べない、株式評価 売り手側の会社が抱えている負債、公開されていない簿外債務、管理手間のかかる不要資産、経営上障害 になる可能性がある契約等、不都合なものも引き継がなければならなくなる。また、非上場株式であった 場合株価算定の手間がかかる |
■売り手 |
事業譲渡 | 株式譲渡 | |
税金 | 譲渡益に法人税(29%~42%)が課税される。 | 譲渡益に所得税(20%)が課税される。 |
手続き | 契約のまき直しが必要で煩雑。 | 手続きが簡便。 |
その他 | 継続保有したい事業・資産を法人格ごと残すことができる。 | 基本的に全ての事業・資産を譲り渡すことになる。 |
譲渡される資産が課税資産であれば消費税が課されます。 |
資産内容 | |
課税資産 |
有形固定資産(土地を除く) 無形固定資産 棚卸資産 営業権 ゴルフ会員権等 |
非課税資産 |
土地 有価証券 貸付金などの債権 |
■買手 |
事業譲渡 | 株式譲渡 | |
税金 |
営業権は5年で償却でき、投資額に節税効果あり。 譲渡資産に不動産が含まれる場合には、不動産取得税・登録免許税が必要となる。 |
投資額に節税効果なし。 |
手続き | 契約のまき直しが必要で煩雑。 | 手続きが簡便。 |
その他 |
必要な資産のみ選択的に承継できる。 簿外負債・偶発債務の承継を回避できる。 顧客・従業員の継承漏れが生じるリスクがある。 |
基本的に全ての事業・資産・負債・顧客・従業員を包括的に承継することになる。 |